フェラーリ・ディーノ246GT(1969)& 308GT4(1973)

10pt   2017-04-22 00:00
オートカー・デジタル - AUTOCAR DIGITAL

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246GTと308GT4、同じディーノで、どうしてこうも現在の評価が開いてしまったのか。ジェームズ・エリオットがその原因を探ってみる。

大論争の的となった2台の革新的フェラーリ

246GTと308GT4。本当にこの2台のディーノには、名前以外に共通点は何もないのか? そんなことはあろうはずがない。どちらもフェラーリにとっては革新的だったクルマであり、そのため独自のブランドを与えられたほどだ。そして、この2台とも、発売当初から、熱狂的なエンスージァストの間で、果たして本物の跳ね馬の伝統と価値をもっているのかどうかの大論争を巻き起こしたのも事実である。そして、246GTについてはある程度、評価は定まった。とはいってもV12を搭載した同時代のライバルに現在のリセール・バリューで及ぶものではない。そしてもう片方の308GT4は、一部の熱狂的なファンを抱えていることは否定のしようがないものの、相変わらず後継モデルのモンディアルを別にすれば最も安いフェラーリの汚名に甘んじている。

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246GTは6気筒であることが、308GT4はベルトーネ・デザインであることが問題だった

では、いったい何が原因だったのだろうか? 246GTの場合は絵に描いたように明白で、V型エンジンにはわずか6本のシリンダーしかなかったからだ。しかも、このカッコウの卵のようなエンジンは搭載場所も誤っており、なんと運転席の後部、すなわちミドシップであった。それに加えて、マウントは横置きだった。これらは全て嘆かわしいほど非フェラーリ的であり、フロント・エンジンが当たり前の当時は到底容認できなかったのだ。

Dino_0422_003.jpgゴージャスなピニンファリーナのラインはクーペのGTで最高に魅力的。


308GT4もフェラーリ・エンスージァストの許容範囲を超えていた。ミドにV8エンジンを搭載していることは、すでにフェラーリ・ファンの理解を得られていたが、そのスタイリングは終身刑ものだったのだ。黎明期のコーチビルダー時代を含めても唯一のベルトーネのデザインによるマラネロのクルマであり、このクルマを非難する人たちは、なぜ、それ以後、彼の手によるフェラーリが登場していないかを、大きな理由としている。この折り紙のような大胆なボディ・ラインは、フェラーリでお馴染みのふくよかな曲線からはあまりにもかけ離れていたのである。
Dino_0422_004.jpgV8エンジンと4座シートが2.55mのホイールベースに押し込まれている。


もっとも、もろ手を挙げて評価されなかったことだけがこの2台の共通点ではない。この2台は本物のライバルであり、それは路上でもガレージでも場所を選ばない。実を言うと、246を即金で買える財力の持ち主ならこの記事を読んでも何も動揺することはなく、代わりに308を買って残りの金額を預金しようなどということはありえないだろうし、また市場の誰も、308の価値を£130,000(1,690万円)相当に見直した上であえて246を選ぶわけはない。


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