なぜ近年のコンセプトカーにはレッドが多い?2013年あたりの塗装技術革新を考える

18pt   2017-04-21 23:30
Life in the FAST LANE.

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Mercedes-Benz Concept A Sedan, 2017

最近のコンセプトカーには「メタリックレッド」が非常に多いようです。
一昔前のコンセプトカーは「メタリックグレー」が多かったのですが、たとえば今月開催の上海モーターショーだと、目立つところで「メルセデス・ベンツ・コンセプトA」「ローバーE-モーション」「アキュラTLX-L」などがメタリックレッド。

これまでグレーが多かった理由としては、「複雑なラインが活きる色だから」と言われており、コンセプトカーは市販車に比べてコスト・技術の制約がゆるく、従って市販車ではできないような複雑な構成やラインを持っており、これをモーターショーの強烈なスポットライトの下で見せるには(陰影がついて)最適だ、と一般的に認識されているわけですね。

逆に「ソリッドのホワイト」「ソリッドのイエロー」はコンセプトカーには向かない色と言われ、これは明るく膨張して見える、波長が長くボディ上では(よほど大きな凹凸がないと)陰影ができにくい(同じ理由でフォグランプがイエローなのは波長が長いから)ためと言われます。
ただ、これらの色もメタリックやパールを混ぜると話は変わるので一概には言えませんが、おおよそ自動車業界では上記のような認識となっている模様。

一方で市販車つまりプロダクションモデルでは上品に見えるパールホワイト、スポーティーに見えるイエローを使用することも多く、「TPO」によってボディカラーも変わるのだ、と言えます。

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さて、ここで「メタリックレッド」ですが、更に以前のコンセプトカーだと「メルセデスAMG GTコンセプト」や「ランボルギーニ・ウルス」もレッド。
ランボルギーニだと「アヴェンタドールJ」や「ヴェネーノ・ロードスター」にも同様のメタリックレッドが用いられていますね。

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なぜかというと、これは2010年代前半になって開発された「光輝顔料」の登場と塗装技術のブレイクスルーがあり、これによって今までの塗料では実現できなかった「高彩度、金属光沢、隠蔽力」がボディカラーに持たされた、ということが理由だと考えています。

わかりやすいのはマツダの「ソウルレッドプレミアムメタリック」で、これは他の塗料メーカーも持つ技術の一つではありますが、たとえばBASFでは「パリオクロム」という呼称(マツダのソウルレッドプレミアムメタリックは2013年に登場)。

塗装の下層にあるアルミフレーク層が光を反射することで、その上のクリア層を通じ独特の「深み」を表現することが特徴で(マツダのブログにて詳細を解説)、現在この表情を出せるのは「レッド」「ブルー」「グレー」「オレンジ」「ゴールド」とされており、同じマツダの「マシーングレー」、ホンダNSXに採用される「ヌーベルブルー・パール」もこの一種と推測(メルセデス・ベンツの”サンビーム”もそうかもしれない)。

さらに、この光輝顔料の中でも「レッド」がもっとも「高彩度、金属光沢」という点では優れているようで、これが近年(2013年以降)のコンセプトカーにレッドが増えている理由なのではと考えていますが、いずれにせよ(塗料という地味な分野でも)技術の進歩によって「今まで表現できなかったこと」が表現可能となっており、こういった現実を見るに「まだまだ今後も新しい技術によって変革が起きる」と言えそうですね。

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